せっかく新築するのですから、長持ちする家にしたいですよね
長持ちさせるのに欠かせないのが、「耐震等級3」と「シロアリ対策」ではないでしょうか!
今回は、「シロアリ対策」について解説します
シロアリの種類
有効な対策を打つためには、敵の正体を知る必要があります
シロアリには、次の種類があります
- ヤマトシロアリ
- イエシロアリ
- アメリカカンザイシロアリ
ヤマトシロアリ
北海道の一部の寒冷地を除き、ほぼ日本中にいる普通種で、被害の多くはこのシロアリによるものです
私が住む信州に生息するシロアリは、このヤマトシロアリになります
土の中・湿った木材の中など、多湿な場所を好み、被害は床下に多く発生します
乾燥すると生きていられないため、常に湿った環境に生息します
イエシロアリ
本州千葉以西の太平洋から瀬戸内海にかけての沿岸地域、四国、九州、沖縄に生息します
つまり温暖な気候の地域に生息している種になります
被害は建物全体におよび、極めて激しい被害を出す危険なシロアリです
水分を運ぶことができるため、ヤマトシロアリよりは乾燥に強い種です
アメリカカンザイシロアリ
アメリカ産の外来種です
これまでに、千葉、東京、神奈川、大阪、兵庫、和歌山、広島、鹿児島ほかの各都府県の一部で発見され、今後も新たな発見が予想されている要注意種です
土の中には住まず、乾いた木材を加害し、被害は建物全体におよびます
お住まいの地域にはどの種のシロアリが生息しているか、確認してください
ハウスメーカーあるいは工務店さんが施工しようとしているシロアリ対策が、その種に対し有効かも検討する必要があります
シロアリ対策
シロアリ対策として、私は次の2つの考え方があると思います
- シロアリの予防
- シロアリの駆除
シロアリの予防
シロアリの侵入を許さない、という考え方です
シロアリの侵入を防ぐには、家の周りに木材を放置しない、土台にシロアリが食べにくい檜を使う、という話しをよく聞きます
効果はあると思いますが、完璧な予防策ではないですよね
もっと積極的な手段ということで、2つ上げます
- 使用木材の薬液処理
一条工務店さんが行っている方法です
使用する木材を防蟻剤に浸漬するなりの処理を行い、シロアリを寄せ付けない方法です - 土壌の薬剤処理
シロアリは、家の周りの土壌から侵入するため、その土壌へ防蟻剤を注入する方法です
代表的なのは、三井化学アグロの「タームガード」です
住友林業さんやコマツ住研さんは、この施工を行います
「使用木材の薬液処理」は、私個人としては少し疑問な点があります
薬剤の耐用年数はどれくらいでしょうか? もし、耐用年数が切れたらシロアリの餌食にならないのでしょうか? 耐用年数が永久にあるとしたら、その毒性は本当に大丈夫でしょうか?
導入を考えている方は、私の疑問点を晴らしてから進めてください
我が家が導入した「タームガード」は、配管工事で3,600円/m かかりました(合計約19万円)
また、薬剤は5年サイクルで継続的な注入が必要で、その都度約6万円かかります
費用が結構掛かることがデメリットと思いますが、次の章で解説する「シロアリの駆除」にかかる費用と比較すると安い、と考えることもできます
また、「タームガード」には、「シロアリ生涯保証」がついています
額は最大500万円とあまり高くないのですが、導入の安心材料の一つと言えます
ただし、「タームガード」は土壌に住まないアメリカカンザイシロアリに対しては、対策になりません
シロアリの駆除
シロアリがいないか、定期的に検査をして、もし見つかれば薬剤散布で処理をする方法です
「シロアリの検査」ってどうやるのかご存じですか?
実は、「目視」という原始的な方法なのです
シロアリは、水分が無いと生きていけないため、地上の移動の際に「蟻道」と呼ばれる通路を作ります
つまり、コンクリートの基礎に「蟻道」がないか目視で確認するのを「シロアリの検査」というわけです
作業員が床下へもぐり、「蟻道」の有無を見るわけですね
「蟻道」が見つかった場合、シロアリがいるということで薬剤を散布し、シロアリを退治するのです
シロアリはいつ侵入するかわかりませんので、定期的な検査をすすめられますが、費用は10-30万円と聞いています
もし、5年ごとに30万円必要となると考えてしまいますよね
なお、アメリカカンザイシロアリは乾燥した木材を食するため、床下の検査では見つからないと思います
高気密・高断熱住宅とシロアリ対策
私がオススメする高気密・高断熱住宅は、「基礎内断熱」あるいは「基礎外断熱」になります
「基礎内断熱」は、基礎のコンクリートの内側に断熱材を貼ります
その結果、「蟻道」の検査ができません
シロアリが基礎と断熱材の間あるいは断熱材の内部を進行した場合、「蟻道」が見えないのです
高気密・高断熱住宅の基礎は、ベタ基礎ですのでシロアリの侵入する確率は低いと思いますが、コンクリートのクラックや配管工事のすき間からのシロアリ侵入が絶対ないか、と言われると、その保証はできないことになります
一方、「基礎外断熱」は、基礎のコンクリートの外側に断熱材を貼ります
「基礎内断熱」と同様に「蟻道」の検査ができず、かつ断熱材へのシロアリの侵入が簡単にできます
つまり、シロアリ対策を考えた場合、「基礎外断熱」住宅は「タームガード」によりシロアリ予防が必須となるわけです
建築士の中には「基礎外断熱」はシロアリの餌食になるから絶対ダメ、と言う方もいますが、「基礎内・外断熱」をしない住宅でも、シロアリ検査をしなければ、シロアリリスクは同じだよね、だったら「基礎内・外断熱」をしてシロアリ予防をした方がよい、と私は思います
私がオススメする「床下エアコン」の最適な断熱方法は「基礎外断熱」ですが、シロアリ対策を取る必要があることを覚えておいてください
まとめ
シロアリ対策には、次の方法があります
- シロアリの予防
使用木材の薬液処理
土壌の薬剤処理 - シロアリの駆除
「蟻道」の目視検査
「基礎内断熱」「基礎外断熱」は検査ができない
つまり、「シロアリの予防」が必須
また、高気密・高断熱住宅の「基礎内・外断熱」には、シロアリ予防が必須で、私は三井化学アグロの「タームガード」をオススメします
今回は、ここまでとします
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました
では、また!