先日、プログの読者様から「夏の湿気の多い外気をエアコンを設置しない床下へ入れるのは危険でしょうか?」というお問い合わせをいただきました
床下への給気に関しては、色々な考え方があると思いますが、私の考え方をまとめてみました
床下へ給気する意味
床下エアコンを使用する場合、冬は冷たい外気を床下へ入れることになりますが、床下はエアコンで暖房されていますので、あっという間に暖まり、床上へ上がっていきます
床下へ給気する意味がここにあるわけですね
また、夏は床下エアコンを除湿モードで運転しますので、ジメジメした状態ではありません
夏のジメジメ対策については、こちらの記事を参考にしてください
つまり、床下エアコンを設置すれば、1年中床下は乾燥した状態を保つことができます
それでは、床下エアコンを使用しない場合、床下へ給気する意味はあるのでしょうか?
昔の家は、ほとんど床下に給気口があり、床下から給気していました
床下は湿気が多いため、換気をよくし、シロアリ対策や家の寿命を延ばすための先人の知恵だと思います
最近の家は、ベタ基礎であり、昔の家ほど湿度が高くならないため、床下の給気口はあまり見なくなりました
時々床下の給気口を見かけますが、冬は寒さ対策のために給気口を閉じるといった工夫がされています
いずれにしましても、床下をジメジメさせない、というのが家の基本だと考えます
つまり、床下へ給気する場合、高湿度の外気で床下がジメジメしては、何の意味もないと言うことになります
全熱交換換気システム
それでは、床下エアコン以外、床下への給気には意味が無いのでしょうか?
冬の換気計画を考えた場合、床下へ給気し、その外気を暖房することにより、上昇気流が生まれ、効率的に換気と暖房ができることになります
つまり、床下への給気が好ましいとなるわけです
最近、第1種換気システムで良く使われるのが「全熱交換換気システム」です
給気時と排気時に熱交換を行い、少ないエネルギーで外気を温めるという優れものです
また、湿度のコントロールもできますので、夏の高湿度の外気も除湿してくれます
つまり、「全熱交換換気システム」を使用すれば、床下への給気も意味あるものになる、と私は考えます
私が新築を考えた時も「全熱交換換気システム」はありましたが、次の理由から採用しませんでした
- 機械はいずれ壊れる
- フィルターの掃除や交換等メンテナンスが面倒
- ランニングコストがかかる
そして、パッシブ換気へ行きついたのですが、上記のことが気にならない方は「全熱交換換気システム」も選択肢の一つかもしれません
パッシブ換気よりも「全熱交換換気システム」を施工できるメーカーの方が圧倒的に多いのも事実ですからね
換気システム再考
以前、換気システムは何が良いか解説しました
今もこの考えは変わっていません
私にとって外気を床下へ入れるのは、床下エアコンの採用、パッシブ換気の採用、この二つの採用に必要だったからです
換気システムはどうするのか、冷暖房はどうするのか、それによってどのような給気がよいのかはおのずと決まると思います
ただし、換気計画を計画通りに行うには、高気密・高断熱住宅が必要であることを忘れてはいけません
まとめ
- 床下へ給気する場合、床下エアコン以外だったら全熱交換換気システムがオススメです
- 私は使用する機械をなるべく減らしたいため、全熱交換換気システムを採用しませんでした
夏の換気については、奥が深いため、別の機会にもっと深堀したいと思います
今回は、読者様のお問い合わせを元に私の考えをまとめました
読者様に感謝するとともに、本ブログをもっと充実させたいと改めて思いました
今回は、ここまでとします
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました
では、また!